REPORT

活動報告

予算委員会公聴会 「財政・社会保障」 議事録

第221回国会 参議院 予算委員会公聴会 第1号 令和8年3月24日

○佐々木雅文君 公明党の佐々木雅文でございます。
 本日は、お忙しい中、お二方の公述人の先生方から貴重なお話をしていただきまして、改めて感謝を申し上げます。
 初めに、会田先生にお伺いをさせていただきたいと思います。
 先ほど頂戴した資料の方でも拝見をしておりましたけれども、この三十年間の間で世界的にも潮流が変わってきているという中で、元々新自由主義の中で小さい政府をつくっていく、また緊縮財政という流れが、今は大きく官民を挙げての需要をつくっていくというふうな機軸に変わってきているという、経済政策が変わりつつあるというお話、資料の中でもございましたが、この潮流の変化の背景にある事情等を御教示いただければと思います。
○公述人(会田卓司君) ありがとうございます。
 潮流の変化にあるのは、まずは中国経済が膨張したということです。先進国はこの二十年間、新自由主義的な政策で政府の関与を小さく、民間に任せようとしてきたわけです。しかし、民間は、どうしても視線が短期になりますから、中長期的な視野での投資が不足した、そして、短期的な収益にとっては賃金はマイナスになってしまうので、賃金も十分に拡大しなかった。投資や賃金が不足をすることによって政治も、よく言われるポピュリズム化したと言われています。
 しかし、この二十年間、中国は、官民連携の成長投資をぐんとやってきて膨らんでしまい、そして先進国とのバランスが崩れてしまったわけです。そこで今、先進国は、一気にこの経済産業政策の新機軸に軸を移して、官民連携の成長投資の拡大、その大競争の時代に突入している、すなわちバランスを戻そうとしているわけです。
 今、先進各国、米国もヨーロッパも、財政赤字が減らないと言われています。この解釈は、よく政治がポピュリズム化して国民にお金をばらまいているから赤字が減らないんだと言われています。これ、間違いです。政府が成長投資として支出をぐんと増やしているから赤字が減らないということです。
 一方、二〇二六年度の日本の政府予算ではプライマリーバランスが黒字化してしまいました。これ、黒字化を喜んではいけないということです。日本は、政府、成長投資が足らないということの裏返しであるということです。しっかり官民連携の投資を拡大して、中国とのバランスをしっかり保っていくということが必要になってきていると考えます。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。
 その今のお話を踏まえた上で、この三十年間やってきたこと、日本政府がやってきたことというのはある意味世界の潮流を踏まえた上でやってきたわけで、そういう意味では日本だけの失敗だったというわけではない側面もあるのかなというふうに思います。
 その上で、今お話ありましたとおり、これから必要な部分に、成長分野にしっかりと投資をしていくということのお話があったかと思いますけれども、今様々な不確実性が増している中で、この官民挙げてというところでありますけど、この民間の投資マインドであったりとか、またひいては消費者の消費マインドを日本の中においてより高めていくという必要性をどのように財政政策で補っていくのか、どう寄与していけばいいのかというところの御見解も教えてください。
○公述人(会田卓司君) ありがとうございます。
 当然、民間の企業には国内で支出を増やしてもらいたいわけです。とすると、国内で収益が上がらなければ企業は国内で投資をしません。国内の経済をしっかり成長させること、そして家計にしっかり所得を回して消費を拡大するということです。消費が拡大しますと、その消費されたところがこれが成長分野なわけです。その成長分野に投資が集まるという好循環をもたらすことができます。
 さらに、今重要なのは経済安全保障の考え方で、ここの生産が日本でできなければ経済全体が止まってしまうというボトルネックを十分、この十年間、研究の結果分かってきたわけです。そして、私が参画している日本成長戦略会議でも十七の戦略分野というところをしっかりスポットしまして、ここにしっかり投資をしていこうとしています。だから、両建てです。国内でしっかり収益が上げられるような内需主導の投資、そしてもう一つが経済安全保障、日本のボトルネックを解消していくような投資、この両輪でしっかり投資を増やしていくということが重要だと考えます。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。
 その中で、今、日本国内の投資を増やし、また消費を喚起していくというお話もありました。この投資を増やしていく中で、例えば長期金利も上がる可能性もある中で、円安基調になっていく可能性もあるかと思うんですけれども、そうした中でより物価高対策も必要になってくるかと思います。そうした部分での国民生活との、これからの成長戦略との関係性というところも教えてください。
○公述人(会田卓司君) ありがとうございます。
 当然、投資を拡大することが日本の成長につながります。投資の拡大というのは、経済規模も拡大しますし、労働生産性も上げますから、実所得の拡大につながって家計に所得が回る力にもなります。
 ただ、問題は、投資が生まれて家計に所得が回る果実が、景気回復の果実が回るまでには時間が掛かってしまうということです。この間は当然、物価高の苦しみが家計にはもたらされてしまうリスクがあるわけですから、ここはしっかり物価高対応で家計を支える必要があります。そして、ここで家計が困窮してしまうと内需が拡大しないわけですから、その後の投資の好循環につながらないわけです。ですから、投資の果実がしっかり回るまでの一定期間はしっかりとした物価高対応で家計を支え、内需を支える必要があると考えます。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。
 続いて、三原先生にも社会保障の関係でお話を伺いたいと思います。
 先ほども資料の中でも御教示をいただきましたが、社会保障関係のこの財源という部分では効率化、制度改革等も今議論がされているところでありますけれども、反面、国民的なニーズとしても、必要な医療や介護をきちんと適切なときに適切な医療を受けたいという、そういうニーズも強くあるかと思います。
 そうした中で、この社会保障をどうあるべきかというところは、今、会田先生からもお話がありましたけど、経済成長をさせていく中で、この社会保障も維持していくことも両建てでできていくようになるのではないのかなと思う部分もありますけれども、その点の三原先生の御見解を御教示ください。
○公述人(三原岳君) 御質問ありがとうございます。
 経済は私の専門ではありませんけれども、医療、介護が今地域の雇用の受皿、あるいは所得の、収入の源泉になっている面があると思いますので、そういった医療、介護のポジティブなところというのも見ていく必要があるんだろうなといつも思っているところであります。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。
 さらに加えて、先ほど地域の実情に応じたこれからの支援が必要だというお話もありました。その中で、今後の人材育成等もどのように地域の実情に沿った形で実現していくかというお話もありましたけれども、そうした人材育成、育てていくという部分での具体的な方途について、今先生の御見解がありましたら是非教えてください。
○公述人(三原岳君) 御質問ありがとうございます。
 地方分権が二十年、二十五年たって、私は自治体の政策形成能力というのは格段に高まったんだろうと。新型コロナウイルスの対応を見てみても、きちんと自治体はやってくださいましたよね。なので、私は自治体に力はあるんだと思います。
 ただ、今までの給付の管理の考え方と違うのが少し難点かなという気がしています。具体的には、国が通知を定め、その通知に沿って政策をつくるのが、運用するのが自治体の仕事と思っている自治体職員が余りにも多い。これはもちろん大事なことです、正確な事務執行というのは。ただ、それだけでは地域の実情に応じた体制整備はできないので、国の制度から考えるのではなくて、やっぱり地域の実情にまず沿って、自分で仮説を立て、自分の言葉で政策を紡ぎ、自分の言葉で関係者と連携していく、そういう職員をつくっていく、自走的な職員をつくっていく、組織をつくっていくということが求められるのかなと思っています。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。
 ちょっとまた再度会田先生にお話を伺いたいと思うんですけれども、今社会保障のことを少しお話をさせていただきましたけれども、ちょっと先ほどの質問と重複しますが、経済成長させていく上での社会保障の位置付けという部分についても御見解を教えてください。
○公述人(会田卓司君) ありがとうございます。
 先ほど申したとおり、内需を拡大する必要があるわけです。内需を拡大するためには、家計に安心感、国民に安心感を与えなければいけない。すなわち、社会保障を充実させなければいけないということです。ただ、充実の背後に増税ですとか歳出削減があったら、国民に安心感を与えられないわけです。ということで、積極財政によって社会保障の考え方もしっかり変え、国民に安心感を与えるということが非常に重要だと考えます。
○佐々木雅文君 これからまさに持続可能性というところにも関わってくるわけですけれども、この成長をさせていくことと、今、安心感を国民の皆さんに持っていただくというところが両立しっかりできていくようになっていく必要があると思います。
 明示的にはちょっとなかなか難しい部分があるかと思いますけれども、どれぐらいの見通しを持っていけばそういうふうな展開になっていくというふうに先生は想定されていらっしゃるでしょうか。
○公述人(会田卓司君) ありがとうございます。
 当然、日本は三十年停滞していたわけです。この三十年の停滞を一年で回復させるのは非常に難しい。しかも、投資が実際に実現をして家計の所得につながるまでには三年、四年、時間が掛かってしまうわけです。
 だからこそ、政府の投資支出は多年度で別枠で管理をする。総理の所信表明演説にあるとおり、多年度、複数年度でやって別枠で管理する。それぐらいの長い期間のコミットメントが必要、そしてその間は家計を物価高対応でしっかり支えることが重要だと思います。
○佐々木雅文君 以上で終わります。ありがとうございました。