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活動報告

決算委員会 ○理事補欠選任の件 ○令和六年度決算外二件(省庁別審査5) (裁判所、法務省及び厚生労働省の部)について質疑 議事録

第221回国会 参議院 決算委員会 第6号 令和8年6月1日

○佐々木雅文君 公明党の佐々木雅文です。
 私からは、主に法務省また裁判所に関連する項目について質疑を行わせていただきたいと思います。
 初めに、更生緊急保護の執行状況等についてお伺いをしたいと思います。
 満期で釈放をされたり、また執行猶予や罰金刑の言渡しなどによりまして刑務所また拘置所、また不起訴などによって留置場から出られた人に対しまして当面の生活の給与を行っていく措置というのがこの更生緊急保護になります。私自身も刑事弁護をやっていたときに、頑張って不起訴、不起訴になって出られるようになったときに、実際その方が、その後すぐ、お金もないし、住むところもない、こうした状況を対策取っていくためにもこの更生緊急保護というのは大変有用なものであったというふうに認識をしています。
 具体的にその緊急保護の中身ですけれども、食事、旅費の給与や貸与、保護施設への宿泊場所供与の委託など、こうしたことが主な主たる措置内容というふうに承知をしております。
 この措置ですけれども、当該の者の、その人の申出に基づいて措置を講じることとなっているわけですけれども、そうした対象となる方への周知というのはどのように行われているものなのか、また行っている場合はどのような方法でなされているのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(吉川崇君) お答えいたします。
 更生緊急保護は、御指摘のとおり、刑務所からの満期釈放者、保護観察に付されていない執行猶予者、起訴猶予者、罰金の言渡しを受けた者等が身柄を釈放された後に、その者の申出に基づき住居や就業先、医療の確保等について緊急の保護を行うものでございます。必要な保護を受ける機会を逸することがないよう、刑事施設等に収容中又は身柄の釈放時に制度の説明を行うこととしております。
 具体的には、検察庁、刑事施設等の職員が、更生緊急保護の対象となる者に対し、刑事施設等に収容中又は身柄の釈放時に必要があると認めるとき又はその者が希望するときに、更生緊急保護の制度及び申出の手続について記載した書面を交付して説明を行っております。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。
 特に、起訴猶予となる場合は、終局処分判断される際には、こうしたことを当該の方に伝えなければ実際に手続できないということだと思いますので、そうしたことに関しましても是非周知を徹底をしていただきたいなというふうに思っています。
 こうした更生緊急保護については、再犯を防止していく上でも、その方が社会復帰をする上で当面の生活環境を整える上でも有意義であるというふうに思っています。
 現状はどの程度の申出の数があって、実際どの程度認容されているのか、また認容されている場合にはどういった基準で具体的な支給内容を決めていらっしゃるのか、その点についても伺いたいと思います。
○政府参考人(吉川崇君) お答えいたします。
 令和六年に更生緊急保護の申出を行った人員は七千五百二十人であり、申出を受けて保護観察所で更生緊急保護を開始した人員は七千四百五十二人でございます。
 更生緊急保護は、申出をした者の個別事情を客観的、総合的に判断し、改善更生のために必要かつ相当な限度で行うこととされております。保護観察所では、これらの事項に留意して、食費や交通費の支給、更生保護施設等への宿泊の委託、福祉的支援の調整などの保護を行っているところでございます。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。
 今のお話にもありましたとおり、この措置をしていく中で、社会復帰を支援していく上でも福祉とのつながりをつないでいく、そうした必要が重要だというふうに思っています。
 この保護観察所と基礎自治体、また社会福祉協議会などというこの福祉を担っていらっしゃる方々との協働体制が今どのようになっているのか、この点についてもお伺いをします。
○国務大臣(平口洋君) お答えを申し上げます。
 更生緊急保護の対象者のうち、福祉的支援が必要な者については、保護観察所と地域の福祉機関等が連携して支援を実施することが重要でございます。
 保護観察所においては、個々の更生緊急保護の対象者について、地方公共団体や福祉機関等と連携して必要な福祉的支援を受けられるよう調整を実施しております。また、定期的にこれら福祉機関等との協議会を開催するなどして、平素から緊密な連携の確保に努めております。
 引き続き、これらの取組を充実させ、福祉的支援を必要とする更生緊急保護の対象者の再犯防止に努めてまいりたいと考えております。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。是非、引き続き適切な実施に努めていただきたいというふうに思います。
 次の質問になります。
 損害賠償額の在り方につきまして、二〇〇一年、司法制度改革審議会から意見書等が出されております。その中で、損害賠償の額の認定については、全体的に見れば低額に過ぎるとの批判があることから、必要な制度上の検討を行うとともに、過去のいわゆる相場にとらわれずに、引き続き事案に即した認定の在り方が望まれるという意見書が出されています。
 この点について、予算委員会でも私も損害賠償額の適正化という点でお伺いをさせていただきましたが、その際の答弁の中も踏まえまして、今年四月に、法務省民事局におきまして、インターネット上の名誉権侵害等の損害賠償額等に関する調査報告書が公表をされています。
 この調査内容につきまして、法務省としてどのように受け止めているのか、また報告書を今後どのように活用される考えでいるのか、伺います。
○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。
 お尋ねの調査報告書は、法務省において、民間の判例データベースを利用し、公開されている一定の裁判例を調査し、インターネット上の名誉毀損等とインターネット以外の媒体による名誉毀損等のそれぞれで認容されている慰謝料の額等を調査、分析したものでして、本年四月、法務省ホームページに公表したところです。
 この調査報告書は、近時の多数の裁判例について、慰謝料の額やその判断に当たって考慮された事由等を分析したものであり、国内の名誉毀損等に関する司法判断の実情を把握するための有益な資料を得られたものと考えております。
 法務省では、現在、イギリス、フランス、ドイツの三か国における名誉毀損等による損害賠償額に関する司法判断の実情調査を実施し、報告書の公表に向けて準備を進めております。これによって、先ほどの調査報告書と併せ、国内外のインターネット上の名誉毀損等による損害賠償額の動向を一定程度把握することが可能となるものと認識をしております。
 これらの報告書については、同種の訴訟に携わる弁護士等の実務家にも広く御活用いただくとともに、法務省としては、名誉毀損等による損害賠償額の実情を把握し、さらに、どのような取組が必要かについて検討するための資料として活用してまいりたいと考えております。
○佐々木雅文君 是非有効に活用していただきたいと思いますとともに、弁護士がこの考慮事由を判断するだけにとどまらず、この慰謝料を適正化していく上では裁判所が変わっていかないといけないと私は思っていますので、裁判所におかれましてもこうした資料をしっかり活用して確認をしていただきたいなというふうに思いますので、その点をちょっと申し添えたいと思います。
 そして、次の質問に行きますが、少年事件に関しての質問です。
 少年事件と成人の事件、その性質の違いは可塑性があるということが指摘をされているところですし、私自身もそのように感じているところです。
 少年事件において、弁護士は付添人として審判が適正に行われるように少年側の立場から手続に関わるわけですが、それだけではなくて、学校、家庭、職場、また少年を取り巻く環境調整を行って、少年の立ち直りを支援する活動を行います。その結果、再犯防止につながるということは社会にとっても利益になるところであります。けれども、少年自身、またその家族が自ら弁護士を付添人に選任するということができない環境にいらっしゃる場合も多いですし、だからこそ国選付添人制度が不可欠であり、意義も大きいところだと思います。
 これまでの法改正でも、被疑者国選に関しては対象が全ての勾留事件に拡大をされましたが、この国選付添人の対象事件は長期三年を超える懲役又は禁錮の罪のままとされています。そうすると、被疑者段階では成人も少年も国選弁護人は選任され、また成人はそのまま刑事弁護でも国選弁護人が選任されますけれども、少年事件では家裁送致があった後に国選弁護人が選任できない場合も生じ得るところです。
 現行の国選付添人制度の対象事件を拡充して、全ての事件に、特に身柄が拘束されている事件については国選付添人を選任できるようにすべきだと考えますが、この点の所見を伺いたいと思います。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。
 現行の少年法では、死刑又は無期若しくは長期三年を超える拘禁刑に当たる罪の事件において、家庭裁判所が検察官関与決定をした場合などに家庭裁判所が国選付添人を選任することとしているところでございます。
 お尋ねの国選付添人の対象事件を拡大することにつきましては、刑事手続と異なり、家庭裁判所が自ら少年の後見的役割を果たすという少年審判の基本構造に鑑みると、国費を支出して国選付添人制度の対象を全ての事件に拡大すべき必要性は必ずしも明らかとまでは言い難いこと、拡大には相応の予算措置を伴うところ、現下の厳しい財政状況の下、国民の理解を得るためにはその必要性を慎重に吟味する必要があることなどを踏まえると、慎重な検討は必要であると考えているところでございます。
○佐々木雅文君 そうなんですけれども、件数は決してそんなに多く拡充になるわけでもないと思いますし、また家裁の後見機能を否定するわけじゃないですけれども、やはり付添人がいるからこそ社会資本をしっかりと整備して少年の立ち直りにつながっていくものだと思いますので、是非この点は御検討いただきたいと思います。
 次に、いわゆる谷間世代につきまして伺います。司法修習生のいわゆる谷間世代の問題です。
 これは、修習、司法試験合格後の修習を受けられた新六十五期から七十期までの方が給付を受けられなかった世代、約一万一千人いらっしゃいますが、その人たちを指した課題です。その人たちは、経済的負担そして不公平感を取り除くということが課題となっています。これは、単に給付を受けられなかったということに対する問題を解決するだけではなくて、幅広い公益的活動に法曹が取り組むことを可能にするもので、司法を利用する全ての国民に資するものだと思います。
 昨年のいわゆる骨太の方針二〇二五におきまして、法曹人材の確保及び法教育の推進等の人的、物的基盤の整備を進めるということが記載をされまして、その注釈では、法教育の推進、公益的活動を担う若手、中堅法曹の活動領域拡大に向けた必要な支援の検討を含むということも記載をされています。
 是非、法務省におかれましても、この点、知恵を振り絞っていただきまして、解決に向けて取り組んでいただきたいと思いますが、大臣の御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(平口洋君) いわゆる谷間世代の問題でございますけれども、我が国においては、例えば少子高齢化の進行や地域における人口偏在等を含む人口動態や社会構造の変化が進行しております。このような状況を踏まえますと、あらゆる地域、あらゆる方々に司法アクセスを確保するためには、将来の担い手不足が懸念される分野を中心に、谷間世代を含む若手、中堅法曹を育成し、その方々に活躍していただくことが重要であります。
 現段階で確たることを申し上げる段階ではないということを御理解いただきたいのですが、法務省としても、このような問題意識の下で、若手、中堅法曹に幅広い分野で活躍していただけるよう、必要な情報発信などの環境整備を行うべく、日弁連等の関係機関、団体と連携しながら検討を行っているところであります。引き続き適切に対応してまいりたいと考えております。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。是非前向きにお取組をいただきたいとお願いを申し上げます。
 この弁護士業務に関しましては、五月二十一日に改正民事訴訟法の施行によりまして訴状提出等の手続がオンライン化をされました。そのシステムとして従前から導入されていたmintsが改修をされて、稼働をしています。その稼働状況、利用者からの評価などとともに、本来導入される予定であったTreeeSの開発進捗につきまして、費用面も含めまして伺いたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(福田千恵子君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、民事訴訟手続のデジタル化に関する改正民事訴訟法が本年五月二十一日に全面施行され、民事裁判書類電子提出システム、mintsと呼ばれるシステムで対応をしております。
 mintsは、現在までのところ大きな問題なく稼働をしております。民事訴訟手続の全面デジタル化の開始から間もないこともあり、mintsの使用感については利用者から様々な声があり得るところと存じますが、引き続き、状況を注視した上で適切に対応を検討してまいりたいと考えております。
 新たなシステムであるTreeeSについては、本年三月に完成いたしました。今後、令和九年一月に名古屋高裁本庁及び名古屋地簡裁管内で先行して導入し、令和九年度に全庁で導入することを目指して準備を進めているところであります。こちらについても、円滑なシステム移行を目指して準備に努めていきたいと考えております。なお、TreeeSの費用面に関しましては、裁判所に計上されている予算内で執行して完成に至っております。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。
 TreeeS、今、来年中に利用開始というお話もあったんですけれども、今年度に限って言うと、引き続きmintsで対応するわけです。mintsを利用して始まった訴訟については、TreeeSが稼働するとデータ等は移行されるようになるのか。並行して利用するとなると更に混乱が生じかねないところでもありますし、実際使っている代理人の主に弁護士については、それ、二つのシステムを習得しなければならないという煩雑さも生じるところです。
 TreeeSを展開するに当たっての現状の見通しを改めて伺いたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(福田千恵子君) お答えいたします。
 まず、mintsからTreeeSへのデータの移行についてですけれども、mintsからTreeeSにシステム上でデータを移行することは技術的に困難であり、そのような機能は設けられておりません。そのため、mintsで申し立てられた事件については、TreeeSの導入後においてもmintsで事件処理を行うこととなり、委員御指摘のとおり、利用者の皆様には、しばらくの間、二つのシステムを並行して使用していただくこととなります。
 両システムは、電子申立てや電子記録を取り扱うといった基本的な機能面に関しては変わるところはございませんが、表示画面が異なるほか、機能にも一部異なる点がありますので、TreeeSについて十分な習熟の機会を設け、その機能について丁寧に説明していくことが重要であると認識しております。
 現在、関係機関とも協議しながら、その準備の進め方について検討をしているところであり、円滑なシステム移行の実現に向けて、引き続き遺漏のないよう取り組んでまいりたいと考えております。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。是非、円滑にお願いをしたいと思います。
 済みません、ちょっと時間の関係で一問飛ばさせていただきます。
 最後に、家事事件について伺いたいと思います。
 家事事件につきましては、当事者間の主張や争いが熾烈な場合も多いですから、その中で家事調査官の果たす役割が大きいところですし、また、その作成する報告書というのは事件を左右する大切なものでもあります。
 だからこそ、適切に事件が解決する上で、調査官の人員を拡充するとともに、高い専門性の習得がより一層求められるところでもあります。調査官の皆さんの教育体制について伺いたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(馬渡直史君) お答えいたします。
 家裁調査官の専門性の確保、向上に向けた教育体制といたしましては、まず、採用後二年間の研修において、心理学、社会学、社会福祉学、教育学等の行動科学の知見や技法を習得するための養成が実施されております。加えて、OJTも重要でありまして、担当する事件の調査に当たっては、他の家裁調査官からそれぞれの専門性を生かした助言を受けたり、共同調査を実施することなどを通じて様々な分析の視点や技法、知見等を習得し、これらを調査事務に生かしているものと認識しております。
 最高裁といたしましても、各家裁調査官が適切な調査事務を行えるよう、引き続き必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
○佐々木雅文君 済みません、時間が参りましたので、ちょっと幾つか割愛になりましたが、以上で終わります。ありがとうございました。
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