REPORT
活動報告
第221回国会 参議院 災害対策及び東日本大震災復興特別委員会 第8号 令和8年6月26日
○佐々木雅文君 公明党の佐々木雅文です。
昨日、今日と、各地で相次いで地震が発生をしております。また、台風も近づいておりまして、豪雨になっている地域もあります。まずもって、各地域の皆様に心よりのお見舞いを申し上げる次第であります。
さて、防災庁を設置することの意義は、徹底した事前防災と、発災時の対応から復旧復興までの一貫した災害対応の司令塔となることとされています。本日は、発災時の対応の点からお聞きをしたいと思います。
災害が発生した際に、各地域に必要な医療提供体制を支援するとともに、けがをされた方や病気の方の身体、生命を守るために、専門的な研修、訓練を受けた災害派遣医療チームとしてDMATがあります。これまでも、自然災害に限らず、感染症対策も含め、本当に様々な場面で御尽力をいただいているところであります。
改めて、このDMATの定義等も含めまして質疑を行いたいと思いますが、災害の発生直後の急性期、おおむね四十八時間以内とされていますが、この急性期から活動が開始できる機動性を持った、専門的な研修、また訓練を受けた医療チームとしてDMATは定義をされています。その一つの隊、チームの構成は、医師が一名、看護師が二名、業務調整員が一名の四名を基本とされているところと承知をしています。
そしてまた、このDMATは、都道府県等の派遣要請を受けましてDMAT指定医療機関から派遣をされ、そしてDMAT指定医療機関に所属しているDMATの登録者によりその活動が実施をされていきます。そして、このDMATの登録者は、厚生労働省が実施をする日本DMAT隊員養成研修を修了し、またそれと同等の学識、技能を有する者として厚生労働省から認められ、登録された者であるというふうにされています。
日本初のDMATは東京DMATでありまして、二〇〇四年に創設をされています。この創設に当たりましては、都議会公明党も一貫して推進をしてきたところでもあります。また、日本DMATは二〇〇五年に設立をされています。今年三月末時点では、全国で今、千八百六十八隊、二万三百五十五人になっているというふうに伺っています。
このDMATですけれども、主に災害拠点病院を中心とするDMATの指定医療機関に登録をされている方々から成り立っているわけですけれども、今後想定をされている大規模災害として、例えば南海トラフ地震であったり、日本海溝・千島海溝地震などは広範な地域での被災が見込まれているところでもあります。そうしたときに、ある意味で当然のことではありますけれども、この被災をした地域のDMAT、またその登録をされている方々は、当然地元、被災をした地元の対応に当たらなければなりません。広範な被災地域であることを踏まえますと、隣接する地域においても他県に派遣をする余力は限られているのではないかというふうに考えるべきだと思います。例えば、南海トラフであれば日本海側や東北、北海道からの支援も検討する必要があると思いますし、日本海溝・千島海溝地震であれば西日本からの支援も必要になるところだと思います。
そこで、現状の今DMAT指定医療機関のうち主に災害拠点病院について、またDMATの隊数の設置状況について伺いたいと思います。
各地域における設置状況、今どの程度グラデーションが生じているものなのかどうか。また、各災害拠点病院の、災害拠点病院の中には複数のDMATチームがある場合もあるかと思いますが、一つの災害拠点病院等の機関から災害時に派遣できるチーム数、隊数というものが幾つになるのかという点を伺いたいと思います。
○政府参考人(榊原毅君) お答え申し上げます。
災害拠点病院は、大規模災害時における地域の中核的な医療機能を担うものでございまして、原則として二次医療圏ごとの整備を念頭に都道府県が地域の実情を踏まえて指定しており、令和八年四月一日現在、全国で七百九十病院が指定されております。また、その指定に当たりましては、医療機関においてDMATを一隊以上保有することを求めてございます。
災害拠点病院が複数のDMATチームを保有している場合には、当該病院から複数のチームを派遣することはあり得ますが、実際に派遣可能なチーム数については、当該病院の勤務体制の調整、緊急車両や機材の状況に加えまして、当該病院に求められる地域医療機能の維持との両立を踏まえて判断されるものと考えております。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。
今お話ありましたとおり、なかなか現実的に、複数のDMATがその拠点病院にあったとしても、どこまで同時に派遣できるかどうかというのは様々な課題があるところだと思います。そうした中で、このDMATに加わっていらっしゃる登録者数であったりとか隊数そのものは増加は今しているものというふうに思います。
他方で、今もお話ありましたとおり、広範な被災地域が想定をされている中では、単にチーム数そのものを増やしていくということだけにとどまらず、稼働が可能なチーム数をいかに確保していくかということが大切になってくるかと思います。そうした点では、この災害拠点病院以外の医療機関においても隊数を増やす余地を見付けていく必要があるかと思いますけれども、そうした観点も含めまして、チーム数、隊数の拡充に関する現状の検討状況について所見を伺いたいと思います。
○政府参考人(榊原毅君) お答え申し上げます。
南海トラフ地震等の大規模災害に対応するため、被災地外から派遣可能なDMATを平時から十分に確保することは重要であると認識してございます。
このため、厚生労働省においては、令和五年度以降、DMATの養成に係る予算の拡充等を通じて養成の推進を図りますとともに、より多くの医療機関が研修を受講しやすくなるよう全国各地で養成研修を実施するなど、養成機会の確保に努めているところでございます。
引き続き、関係機関とも連携しながら、DMATの養成及び体制整備の推進に努めてまいりたいと考えております。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。
養成機会の拡充という意味では、拠点数も今後増えていくということも承知をしておりますので、そうした部分でも引き続き、この研修を容易にしていくということは大切だと思いますし、この後も少しお話をしますが、研修に行くためにもやはりそれもまた業務調整が必要になるということも出てくるかと思いますので、そうした部分での御配慮も今後検討いただきたいなというふうに思っています。
この実稼働を確保するという意味におきましても、このDMATの登録されている方々が実際に所属をしている病院等の組織に対するインセンティブの付与も考えていかなければ、現実的な、継続的に活動をしていくということは困難にもなり得る状況も生じかねないというふうに思います。自然災害ですので、突然生じるものでもありますから、いざというときに必ずしも派遣ができない機関等があるということも指摘をされています。
特に、令和六年の能登半島地震に関しましては、DMATの効果的な運用に関する研究という研究内容が報告をされています。その中で、この災害拠点病院であったり、また指定医療機関から最低一度はDMATを派遣することができたと答えていただいたのは、そのうちの約七割にとどまっています。さらに、具体的には、この調査活動の中で、派遣が困難であった医療機関のうち五割近い機関からは、病院内の勤務調整が大きな課題であったというふうな内容で回答をされています。さらに、派遣を実際にできた、可能であった医療機関からも、九割を超える機関から勤務調整に課題があったということ、また三割を超える機関からは派遣資金に課題があったという回答をその中で報告をされているところです。
この派遣資金という面で申し上げますと、仮に災害救助法が適用される場合は費用支弁がされるわけでありますけれども、一旦はその病院等の機関で立替えをしなければならないということもありますので、そのこと自体も大きなハードルの一つになっている可能性が指摘をされているところです。
また、医療機関においては、今もお話がありましたけれども、このDMATとしての隊員である医療従事者を派遣すると、その分、派遣元では勤務調整をしてその穴を埋めなければならない、こうしたことが必要になってまいります。近時、診療報酬が改定されたとはいえ、各医療機関では慢性的に人手不足となってもおりますし、そうした中で人を派遣するということは決して簡単な決断ではないだろうということは明らかなところかと思います。そして、仮に派遣をされたとしても、残っている人でカバーをしなければならないとなりますと、結局その派遣元の病院、医療機関の機能が低下する、こうしたおそれも生じるところだと思います。こうした不安、課題を払拭していかなければ、この先も安心して派遣をするということは組織としてもなかなか困難な状況に陥りかねないと、このように思います。
そこでお伺いをいたしますけれども、今回防災庁を設置されることを機に、まず一つは、この費用支弁については、例えば国が一旦立替えをすることなども含めまして、派遣元の病院等の機関の資金繰りに支障が生じないようにするということが検討ができないものなのかどうか、そしてまた、別途派遣元へのそもそもの財政的な支援を図るということを進めることができないかどうか、そうした点につきまして政府の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(榊原毅君) お答え申し上げます。
大規模災害時にDMATにより被災地の医療提供体制を確保するためには、医療機関がDMATを円滑に派遣できる環境を整備することが重要であると考えております。
このため、DMATの派遣により一時的に派遣元の医療機関における人員が不足する場合は、これまでも診療報酬上の人員配置基準について、自然災害発生時の特例的な取扱いを実施してきたところでございます。また、被災地への派遣等を円滑に行うことができるよう、DMAT自動待機基準が適用される災害につきまして、一定の要件の下でこうした人員配置基準の特例等が自動的に適用される取扱いを定めた通知を先日発出したところでございます。
さらに、DMATの派遣に伴う費用につきましては、災害救助法が適用される災害において、同法の範囲内で必要な財政支援を行っているところでございます。
引き続き、人員調整や資金が医療機関の派遣判断の制約とならないよう、現行の取組の運用状況も踏まえつつ、DMATの円滑な派遣に資する方策について検討してまいりたいと考えております。
○佐々木雅文君 是非、引き続き御検討を重ねていただきたいと思いますし、必要な施策の実施に努めていただきたいと思います。
今申し上げたのはこの組織に対するインセンティブというところだったんですけれども、今度はこの登録をされている個人の方に対するインセンティブというところでお話をしたいと思います。
先ほど申し上げた研究報告内容では、この隊員の方の資格更新に関する課題も取り上げられています。
二〇二四年のこの調査時点では、DMATの隊員養成研修受講者は約一万八千人いらっしゃいまして、そのうち有効な資格を持っていらっしゃる方が一万三千九百六十四人、資格が無効となっていらっしゃる方は四千三百五十六人になっていると報告をされています。この資格無効者の内訳は、資格が失効した人が四千百三十三人、辞退をされた方が二百二十三人というふうになっております。
更新を辞退された方からの聴取できた限りでのその理由というものが、指定医療機関からの異動であったりとか退職、転職等が全体の約半数を占めていたということであります。そのほかにも、研修への参加が難しくて更新要件を満たさないという方が、人がいたということも見られています。恐らく、この失効をしてしまって無効になられた方についても、この研究報告では理由の調査まではされていないんですが、恐らく同じような事情からではないかということが推察をされるところです。
DMATに登録されている方も日常的には医療従事者として働いていらっしゃるわけでありまして、この派遣元の勤務から離れなければならないことへのちゅうちょであったり後ろめたさが生じるということは想像に難くないところでもあります。さらには、災害が続くおそれのある地域に赴くことにもなるわけでありまして、身体、生命の危険性というところも無視するところはできないかなと思います。
しかしながら、この身体、生命に万が一のことがあった場合には、労災の対象にはなるのだと思いますけれども、その他の補償が十分なものとは言えない、そうした現状があるのではないかと思います。そうした中で、個人の方の志ややりがいだけに頼っていくと、制度としての持続可能性というところに支障が生じかねない、こうしたおそれがあります。
そうした意味におきましても、DMATを登録されている個人の方に対しても、資格を継続することへのインセンティブの付与であったりとか、本来の業務を離れて被災地で任務に当たること、またそこでのけがをした場合の手当てであったりにつきましても検討をすべきかと思いますけれども、この点の政府の見解を伺います。
○政府参考人(榊原毅君) お答え申し上げます。
DMATは大規模災害時の医療提供体制を支える重要な役割を担っており、その活動を持続的なものとするためには、隊員本人が安心して活動できることに加えまして、派遣元医療機関の理解と協力を得ることが重要であると考えております。
また、派遣時に一定の負傷等のリスクを伴うことや、平時の訓練を含め隊員及び所属先に負担が生じることが資格更新を見送る事情の背景の一因となり得るものと考えておりまして、災害時の補償については都道府県や医療機関において独自に傷害保険への加入等の対応が行われていると承知しております。
こうした保険や身分保障、インセンティブ付与等を制度として位置付けることにつきましては、費用負担等や公平性の様々な観点から丁寧に検討すべき課題であると認識しておりまして、厚生労働省としましては、活動環境の整備を通じまして、継続的な人材確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○佐々木雅文君 その点につきましても是非検討重ねていただきまして、隊員の皆様の御貢献や志に報いるだけの形に是非実現を、結実をしていただきたいなと思います。
さらにもう一つ、この同じ研究報告の中で、千三百二十二人の方々が、DMATの登録の有効な資格を持っているんですけれども、主に災害拠点病院であるとされる指定医療機関に所属していないということも判明をしています。
現実的に、この災害拠点病院に所属をしていない中でDMATとしての活動をするということは難しいところだろうというふうに思います。要因としては、元々は災害拠点病院に所属をしていたけれども異動等で一般の病院に移ったというふうなことなどが事情としてはあるのではないかと思います。
そうした状況にあるにもかかわらず、恐らく自腹で費用を出されて研修を受けて資格を維持されてきている方々なわけでして、志も意欲も大変高い方々であるというふうに考えられます。そうした方々をそのままにしておくということは率直に言ってもったいないなというふうに感じるところでもありまして、いざというときにそうした方々の力も貸していただくということが大変大切だというふうに思います。
そうした意味でも、仮に、主にこの災害拠点病院等に所属をしていなかったとしても十分に活動できる環境を整えていくことは大変有意義だと思います。こうした点についても所見を伺いたいと思います。
○政府参考人(榊原毅君) DMATの派遣は、都道府県との間で派遣に関する協定を締結している医療機関の協力、判断により行われておりますことから、委員御指摘のとおり、DMAT資格を有する者であっても、所属医療機関が都道府県と協定を締結していない場合には派遣対象となりません。一方で、大規模災害時にはより多くのDMATによる支援が求められることから、こうした隊員の活躍は重要な課題であるというふうに認識しております。
災害拠点病院に所属しない場合であっても、過去の災害等において活動した実績のあるDMAT資格を有する者も多くいるため、厚生労働省としましては、大規模災害時に求められるDMAT活動を踏まえつつ、引き続き、DMATとして派遣されない隊員の活用方策について検討を進めてまいりたいと考えております。
○佐々木雅文君 是非その点もお願いをしたいと思います。
DMATに関して、最後にもう一点。
この令和六年の能登半島地震における活動において、情報の収集や共有に時間、また人員を要したということが指摘をされています。日々の情報の共有、更新、これは支援活動を行う上でも大変重要ですが、反面、そのことに労力を割かれてしまうというのも本末転倒な結果になりかねませんし、また、情報の管理という面からも、安易な共有方法を頼ってしまうと漏えい等のリスクも高くなるところかと思います。
昨年度からは新たなEMISも運用が開始をされているかと思いますけれども、情報の共有、解析などにおける、このDMAT活動におけるDXの実装という点では今後どのように推進をされていくのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(榊原毅君) お答え申し上げます。
災害時において迅速かつ適切な対応を行うためには、効率的で信頼性の高い情報の共有体制を確保することが重要でございます。
このため、厚生労働省では、令和七年四月より、新たな広域災害救急医療情報システム、EMISの運用を開始しまして、関係機関が機微な情報を含む必要な情報を適切かつ円滑に共有できる基盤の整備を進めております。また、EMISにつきましては、現場の運用実態や利用者の意見を踏まえつつ、更なる利便性の向上や業務の効率化が図られるよう、今後とも必要な機能の改修や拡充の検討を進めていくこととしております。
引き続き、現場の負担軽減と迅速な意思決定に資するシステムの整備を進めますとともに、他の防災関連システムとの連携強化やデータの標準化を推進することにより、実効性の高いDXを進め、災害時における医療提供体制の確保につなげてまいりたいと考えております。
○佐々木雅文君 是非よろしくお願いしたいと思います。
次に、別の観点からお話をしたいと思います。オストメイトの方に関するストーマ装具の件について伺いたいと思います。
災害発生した後に避難が必要になった場合の対応の一環ですけれども、オストメイトの方々が、いざ災害が発生した場合に日常使用しているストーマ装具を安心して使うことができるように、自宅や親族や職場などに分散して装具を保管するということを今対策の一環として進められています。その背景の一つとしましては、東日本大震災のときにも全国から救援物資としてストーマ装具も多く送られてきたそうでして、そのこと自体は大変有り難いことだと思うんですが、反面、日頃自分が使っていらっしゃる装具とは違うもので、実際には使用できなかったという声も多くあったとのことです。
そこで、事前に避難所でストーマ装具を預かるという、今、災害預託という名称でそうしたことが可能になるように推進をされていらっしゃるところです。これは、オストメイトの方々御自身で自分用のストーマ装具や附属品一式を用意されて避難所となる公共施設に預かってもらう、そして定期的に御自身で交換、管理をするという、そうしたことを今進めていらっしゃいます。日常使用できるストーマ装具が避難所にあるということが安心感にもつながりますし、万が一、避難所での生活が長期化した場合の不安解消にもつながるところでもあります。
是非、国としても、各自治体にも御周知をいただきまして、こうした災害預託が進んでいくように後押しをしてもらいたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(野村知司君) お答え申し上げます。
自治体の中でも、避難所におけるストーマ装具の備蓄などの災害時に備えた物資の確保を行っていただいているところであります。
ただ、そうした中で、御指摘のように、確かに備蓄の対象となっているストーマ装具が汎用性のあるストーマ装具であるというふうなことによって、ふだんお使いになられているものとは違うということで、なかなか、実際いざ使おうとすると対応に苦慮されるようなケースもあるというようなお声があります。そうしたことから、御指摘のように、自治体の中には、災害時に備えてオストメイトの方から日常的に使用されている使い慣れたストーマ装具をお預かりをし、保管をするといった取組が行われているところもあると承知をしております。
こうした取組、各自治体が独自に工夫をして実施をしておられるものでありますので、具体的にどのぐらいの実施数があって具体的にどんなふうな保管の仕方をしているのかとかまでは把握はしておりませんが、一方で、オストメイトの方々の安心につながる取組ということで、今後、各自治体でこのストーマの関係の対応を進めるという取組を推進する上で、例えば各自治体向けに開催している会議において御指摘のような事例の紹介を行うなど、どのようなことができるか、これを、工夫を検討してまいりたいと思います。
○佐々木雅文君 是非前向きに御検討をいただきたいと思います。
そして、関連して、このストーマ装具を脱着する際には、やはり例えば全身服を脱がないといけない、こうした場面もあったりしますので、交換場所の確保というところも大変大切になってくるところでもあります。避難所の生活環境の取組指針やガイドラインでもそうした点が指摘をされているところでもありますので、これまで以上に、是非、装具交換場所の確実な確保に向けた取組もお願いしたいと思いますが、この点も伺いたいと思います。
○政府参考人(野村知司君) お答え申し上げます。
避難所を運営するに際しまして、御指摘のオストメイトのプライバシーを始め、障害特性などに応じた配慮というのは、これは非常に重要な課題であると思います。
これまでも各自治体に対しましては、避難所を設置する際に、オストメイトであることを周りの方々に伝えていない方もいらっしゃることを踏まえて、同性の方が、同性の担当者が聞き取りに当たるなど、プライバシーに十分配慮しながらニーズを把握をすること、そして、トイレにパウチを洗浄する設備がない場合には代替できる設備を設置をすることといった配慮すべき点を周知してきております。さらに、個別具体の災害が発生した際にも、災害救助法が適用された自治体に対してこの同様の中身を重ねて周知を図ってきているところであります。
こうした取組を通じまして、オストメイトの方々を含め、障害のある方々の障害特性に応じた配慮が避難所においてなされるように、引き続き確実な周知に努めてまいりたいと思います。
○佐々木雅文君 是非この点もよろしくお願いしたいと思います。
次の内容に行きますが、ちょっとまた角度が変わって恐縮なんですが、熊被害について伺いたいと思います。
昨年も多くの熊被害がありまして、命を奪われるという事案もあったところです。今年も熊被害が全くなくなるということはなかなか簡単にはいかないかなというふうに思います。そうした中で、人命やその後の生活に大きな影響を与えるという観点からも、熊被害は単なる鳥獣被害という次元じゃなくて、自然災害に近い次元で取り組まなければならないのではないかと思います。
その上で、例えば報道とかでは命に別状はないというふうに伝えられたとしても、実際は体に大けがをされていらっしゃる方々もいらっしゃいます。こうした方々、被害に遭われた方々に対して、今、国として補償等を含めた経済的な支援とか見舞金などの対応策というものが今用意されているかどうか、まず伺いたいと思います。
○政府参考人(成田浩司君) お答え申し上げます。
昨年度は東日本を中心に多くの地域で熊による深刻な人身被害が発生し、今年度も出没が続いているところでございます。このため、強い危機感を持って、政府一丸となって熊被害対策を進めているところでございます。
国といたしましては、熊を含む野生生物による人身被害に遭われた方に対する経済的支援は行っておりませんが、一部の自治体においては、市街地等で熊等による人身被害に遭われた方に対し見舞金を支払っていると承知いたしております。また、環境省におきましては、自治体が熊の捕獲等を行う際、作業に当たる方の事故などに備えた保険につきまして、その保険料を交付金により支援しているところでございます。
国民の命と暮らしを守るため、引き続き、自治体と連携しながら、人身被害を未然に防止するための捕獲や出没防止対策等の熊被害防止対策に関係省庁が連携して取り組んでまいる所存でございます。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。
一定の支援が今ある中ではありますが、自治体に応じてあるところないところがあるというのも実情かと思います。
そうした意味でも、例えば一定の経済的支援を実現する上では、災害弔慰金や災害障害見舞金の対象としていくことも検討すべきではないかと思います。いずれの制度も、自然災害という不可抗力で生じるものに対し、救済と福祉という観点からこれまでも実施されているものです。そうした意味では、例えば熊被害も気候変動などの要因も関係しているものであって、決して人為的なものではありませんし、だからこそ、熊被害を対象災害として捉える余地はあるところだと思いますし、さらに単発的に被害が生じているわけでもないと思います。
各自治体の制度だけではなくて、国としても一歩進んだ対応を求めたいと思いますけれども、この点も所見を伺います。
○政府参考人(横山征成君) 御指摘の災害弔慰金等の仕組みでございますけれども、もう委員御指摘にあったとおり、異常な自然現象により死亡した住民の遺族、また負傷や疾病により一定の障害がある住民を対象として自治体が見舞金を支給する制度でございます。その費用を一定割合国が負担するという仕組みでございます。
災害対策法制に基づく支援策は、災害弔慰金等も含めて、一度に多くの住民や地域一帯が被害を受けた場合に、自治体がそれ財政負担して支援するだけでは非常に財政に影響が大きいというようなことに関しまして、自治体等の財政負担を国が支援するという考え方を基本的には取っているというふうに承知してございます。
こうした趣旨を踏まえまして、現時点で熊被害の自治体のその被害規模を鑑みると、自治体の財政に与えるインパクトの問題として、災害弔慰金を仮に適用できると考えた場合にも、実は国の支援の対象にまだ至らない規模の被害というようなことになってございまして、現時点では、そういうこともありまして、熊による被害が異常な自然災害という解釈に該当するかというようなことに関しては、そういう検討をしているわけではございません。
被害者への見舞金につきましては、環境省からも御答弁あったように、各自治体において必要性をまず判断されていると。まず、自治体の方でこういう被害に関してどういうふうにお見舞い等をされるのかというような動きも我々も政府の一員として把握をしながら、御指摘については環境省等とも連携して検討してまいりたいと考えてございます。
○佐々木雅文君 なかなか簡単でない部分もあるかと思いますが、これも是非積極的な御検討をお願いしたいと思います。
最後に、これまでも申し上げているとおり、やはり事前防災の推進、これまで以上に力を入れていく中で、直接災害死を防いでいく、こうしたことが重要だというふうに思います。
これまでも、家具の耐震化や感震ブレーカーの設置等が有効であるということ等を申し述べてまいりましたが、やはりそれを具体的に進めていく上でも、各自治体でもう既に取り組まれている地域もありますが、費用の補助制度等も含めてこうしたことを全国の自治体でも創設していくこと、そうした中で国としてもしっかりバックアップしていくということも含めた推進も考えていく必要があるかというふうに思います。
こうした点も含めて、今後の事前防災の一環として取り組みたい、補助制度等も設置も取組を求めたいと思いますが、牧野大臣の所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(牧野たかお君) 委員の御指摘のとおり、建物の耐震化とか感震ブレーカーの設置などの事前の備えを実施していただくよう、国民の行動変容を促していくことが必要と考えております。
現時点において、政府におきましては、自治体と連携して、耐震性が不十分な住宅や建築物に対して耐震診断とか耐震改修などに係る補助、また著しく危険な密集市街地における感震ブレーカーの購入、取付けに係る補助などを進めているというふうに承知しております。
これからつくっていく防災庁でも、国民一人一人の行動変容をいかに促していくかは大きな課題であると考えておりまして、関係省庁、自治体などと連携を図りながら取組を進めてまいりたいと考えております。
○佐々木雅文君 今後の充実した取組をお願いしまして、質疑を終わります。
ありがとうございました。