REPORT
活動報告
第221回国会 参議院 総務委員会 第11号 令和8年6月11日
○佐々木雅文君 公明党の佐々木雅文でございます。
今日は郵便デー、郵政デーということで、私も何か関係がないかなとずっと今考えていたんですけれども、弁護士として、これまで特定記録、簡易書留、内容証明郵便で、ゆうゆう窓口も含めてほぼ毎日郵便局に行っていたヘビーユーザーでございますので、その観点からお話をさせていただきたいと思います。
今般の法改正の対象となっている郵便法、そして信書便法でありますけれども、これまで日本郵便が信書等の送達において果たされてきた役割は大変大きいところであると思っております。また、今後も、いわゆるユニバーサルサービスを提供していくことについて持続可能な体制を構築していくことが重要だと思っております。ですので、改めて立法目的について一点確認をさせていただきたいと思います。
郵便法につきましては、日本郵便株式会社の経営安定に向けて機動的な料金変更を可能とするものとされています。他方で、信書便法につきましては、日本郵便株式会社と一般信書便事業者との間の対等な競争条件を確保することとされています。この点、現在は一般信書便については参入業者はいないと承知をしておりますが、現状の価格が続く以上は、恐らく新規参入事業者出てくる可能性はなかなか低いのではないのかなというふうに思われます。
そうした中で、実質的に競争相手となる一般信書便事業者がいないにもかかわらず、対等な競争条件を確保するということが明記されているその必要性、理由、根拠がどういった点にあるのか、その点の所見を伺いたいと思います。
○政府参考人(牛山智弘君) お答え申し上げます。
委員御指摘の一般信書便事業者につきましては、郵便と同様に、全ての信書の送達を可能とする代わりに、いわゆるクリームスキミング防止の観点から、郵便と同等の条件の下で参入を認める事業類型として設けられたものでございまして、信書便法制定以来、日本郵便との間の対等な競争条件を確保する制度としてまいりました。
委員御指摘のとおり、現時点におきまして一般信書便事業者の参入の実例はございませんが、将来的な参入の可能性は排除されるものではなく、その際には、クリームスキミング防止の観点から、日本郵便との間の対等な競争条件が確保されていることは重要であると考えております。
したがって、今回の信書便法改正におきましても、定形郵便物に相当する信書便物の料金につきまして、定形郵便物の料金と同様の制度に見直すことで日本郵便との間の対等な競争条件を確保することとしたものでございます。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。
今お話ありましたとおり、対等な競争条件を確保するということと併せて、このユニバーサルサービスを提供していく、そうした環境整備という部分もあるのかなと思いますので、そうした部分で理解をさせていただきました。
その上で、先ほど来ございますとおり、この郵便法改正の前提として環境の変化があるかと思います。先ほど来ございますとおり、人口減少や通信手段の進展もありまして、この郵便物の総量がピーク時から半減しているという状況であります。
そうした中にありましても、日本郵便とされましても、このデジタル化への対応の一環であると思いますが、ウェブゆうびんの仕組みは今もあるところかと思います。冒頭にもお話しさせていただきましたが、私も内容証明郵便を送るときに、元々は、紙に印鑑を押して送る方が何となく威厳があるというのもありまして窓口で差し出していたことが多かったんですけれども、このウェブゆうびんの内容証明が使えるようになっていて、そちらの方が時間や場所に関係なく利用できるので利便性が高いなというふうに私自身も感じて、ウェブゆうびんでほぼ内容証明郵便は今送るようにしていました。
郵便物の総量としては減少傾向だと思いますが、例えばこうしたウェブゆうびんの取扱いにつきましては、これは今どういう、減少トレンドなのか、若しくは一定の範囲でとどまっているのかどうか含めまして、ウェブゆうびんの現況について伺いたいと思います。
○参考人(西口彰人君) お答え申し上げます。
インターネットを通じまして、自宅などから、先生御指摘の、内容証明を差し出したりすることができるe内容証明を始めとしたウェブゆうびんの通数というのは、郵便物全体に占める割合は非常に小さいものでありますけれども、近年でも僅かながら増加しているといった状況にございます。
○佐々木雅文君 今ありましたとおり、総量減る中でも上昇しているトレンドにある部分だというふうに思いますし、内容証明も含めまして、活用をする場面というのはこれからも減ることは余りないのかなというふうに思いますので、そうした部分も含めまして、この利活用しやすい環境を整えて、今も既に整っているわけですけれども、その周知等をより広めていく中で、活用できる場面を増やすことによって、より取り扱う量も増やすことができる部分の分野かなとも思いますので、今後も是非そうした部分の注力もお願いをしたいなというふうに思います。
関係しまして、この郵便物の総量が減っていく中で、経営環境を安定化していくために一定の範囲で単価を上げていくということは、ある意味では当然の、自然のことかなというふうに言えます。
その上で、料金の上限を定めて、その範囲内で日本郵便株式会社として機動的に料金変更をしていくということが今般の法改正の主眼であると思います。その上限額設定の方法につきましては、これまでの議論の中で、いわゆるプライスキャップ制度若しくは上限認可制度、それぞれが議論されてきたところと承知しています。この点、諸外国とは郵便制度自体も異なると思いますけれども、例えばアメリカ、イギリス、フランス、ドイツなどではこのプライスキャップ制度が導入をされています。
そうした中で、日本においてはこの上限認可制度を採用することとなっているわけですけれども、その理由につきまして、制度の対比等も含めまして所見を伺いたいと思います。
○政府参考人(牛山智弘君) お答え申し上げます。
諸外国の郵便料金制度について、アメリカ、イギリス、ドイツなどにおきましては、行政が消費者物価指数等に基づき料金の上限額を設定するプライスキャップ規制が導入されていることは承知しております。
今回の郵便料金制度の見直しに当たりまして、情報通信審議会におきまして御議論いただいた中では、プライスキャップ制度につきまして、外生的な数値等の動向によりましては、必要以上の値上げが許容されることで利用者からの納得感が得られにくい、経営状況によらない値下げが強要されることで事業者の主体性が確保されにくいなどといった懸念が示されたところでございます。
他方、上限認可制度につきましては、実際の原価等を基に算定を行うため利用者からの納得感が得られやすい、経営状況等を踏まえた申請が可能となることで事業者の主体性が確保されやすいなどといった利点が示されたところでございます。
今回の郵便法改正案は、こうした議論を踏まえまして、昨年七月に取りまとめられた答申におきまして、上限認可制度のような日本郵便の発意に基づいて上限料金の設定等の手続を行う制度の導入を検討することが望ましいとの方向性が示されたことを受けまして、定形郵便物の料金の上限額につきまして、日本郵便の申請に基づき総務大臣が認可を行う制度の導入を行うこととしたものでございます。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。
これまでの制度との変化という部分でありますけれども、これまではその上限料金額については総務省が主体的に省令等で策定をされてきたところだと思いますが、この上限認可制度が導入された場合は今の制度とどういう変化が生じるようになるものなのか、その改正前、改正後の違いについて伺いたいと思います。
○政府参考人(牛山智弘君) お答え申し上げます。
定形郵便物の料金の上限額を総務省令で定める現行制度の下では、毎年度、日本郵便から報告を受ける郵便事業の収支の状況や、郵便事業の今後の見通し、物価の動向などを総合的に勘案して、総務省におきまして省令の改正の要否や内容について検討を行う運用となってございます。その検討の過程におきましては、日本郵便の経営情報などを詳細に把握した上で、妥当な上限額の水準などを総務省において定める必要があり、こうした一連の対応に相当の期間を要しておったところでございます。
制度の見直し後には、日本郵便が主体的に上限額の認可申請を行い、総務省が算定基準等に従ってその上限額の妥当性を審査する運用を予定してございまして、これまで相当程度の期間を要しておりました総務省におきます妥当な上限額の水準などを定めるプロセスが不要となることで、その分、料金改定までの期間が短縮することが可能になると考えております。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。
今お話あったとおり、実際に料金が変わるまでの時間が短縮されるというところが一つ大きな利点でもあり、変化になるのかなというふうに思います。
その改正後のことについてお伺いをしたいと思うんですが、今お話もありましたとおり、上限認可制度が導入されるとすると、その具体的な金額の計算方法はこの総括原価方式という部分が想定をされているところかと思います。この場合に、総括原価方式の計算方法を踏まえると、上限額を設定するとはしつつも、実質的にはその上限額がそのまま新料金になる可能性があるのかなというふうに思います。そうすると、初めから金額設定をすることと、この上限額を設定するということの差異というのはどういった部分にあるものなのか、この点についても伺いたいと思います。
○政府参考人(牛山智弘君) お答え申し上げます。
現行の郵便法では、総務省令で定形郵便物の上限額を定めることとしており、日本郵便は、その上限額の範囲内で定形郵便物の要件を定め、届け出なければならないとしております。現行制度の下におきまして、日本郵便が実際に定めている定形郵便物の料金は、基本料金は上限額と同一の百十円となってございますが、上限額の範囲内で利用者のニーズ等に対応した各種の割引料金が設定されているところでございます。割引料金を含めまして、実際に日本郵便が設定する料金額全てを初めから認可する制度とした場合には、このような利用者のニーズ等に対応した割引料金を機動的に設定することが困難になるものと考えてございます。
したがって、今回の郵便法改正案では、日本郵便が上限額の範囲内で実際の定形郵便物の料金を定める枠組みは維持した上で、その上限額について総務省令で定める制度を、日本郵便がそれを申請し認可を受ける制度に改めることとしたものでございます。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。
そういう割引も含めた機動的な変化が今回の改正で対応できるということだというふうに思いますので、そうした部分を含めて、機動的な値段設定という部分は柔軟にこれまで以上にできるのかなというふうに理解をいたしました。
そうした今までの経緯を踏まえますと、そもそも日本郵便株式会社として機動的な対応を主体的に、金額の設定を主体的に行っていくことができるようにするためには、そもそもこの料金設定は届出制にするということも考えられるところではないのかなというふうに思います。仮にそのような形を取ったとしても、郵便事業自体からの撤退はないということは前提にしながら、利用されなければ意味がありませんから、料金が直ちに高額な設定になるおそれも低いのではないかというふうに思います。
仮に高額な金額が設定をそういう届出制になってされたとしても、七十一条のような変更命令があるということも担保にしていくのであれば、国の関わりが一切なくなるものでもないのではないかと思いますが、こうした料金の届出制等の在り方も含めて検討するということはあり得るところではないかと思いますが、そうした部分も含めての所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 現行の郵便法におきましては、郵便が国民の基本的通信手段であること、また、郵便の利用の大宗を占める軽量の信書の料金が特に国民生活に与える影響が大きいことなどの事情を総合的に勘案いたしまして、総務省令で定形郵便物の料金の上限額を定めることとしておりまして、日本郵便はその上限額の範囲内で定形郵便物の料金を定め届け出なければならないと、そうなっております。
今回の郵便法改正案では、定形郵便物の料金の上限額につきまして、総務省令で定める制度を、日本郵便がそれを定め、認可を受ける制度に改めるということですが、この郵便が国民の基本的通信手段であることや軽量の信書が郵便の利用の大宗を占める状況、これは引き続き変わりなく、また上限額の設定を通じまして料金改定の幅を明確にし、利用者の予見可能性、これを高めることは引き続き重要であると認識をしておりまして、定形郵便物の料金については引き続き上限額を設ける制度とすることが必要であると、そういうふうに考えておるところでございます。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。
関連した内容になりますけれども、日本郵便株式会社としても、この成長戦略の一つとして総合物流業者を目指すということが掲げられています。郵便事業自体は郵便法の制約を受けるわけですけれども、郵便事業以外の事業も踏まえた上で、この郵便事業についても持続可能性を探っていくということは考えられるのではないかなと思いますが、こうした可能性が検討され得るものなのか、また検討され得るとしてどういった課題があるのか、そうした点を伺いたいと思います。
○参考人(西口彰人君) お答え申し上げます。
まず、先生の御指摘の中にもございますけれども、郵便事業につきましてだけではないんですけれども、日本郵便におきましてはそれぞれセグメントに事業を分けて管理しておりまして、郵便の場合、郵便・物流セグメント、郵便局窓口の場合、郵便局窓口セグメント、あと不動産とかのセグメントもございますけれども、それぞれ損益管理をして、しっかり黒字化するように努力をしていると。特に郵便事業につきましては、郵便事業についての区分収支を、決算後でございますけれども、発表しておりまして、郵便事業として、ほかの事業でもうけて丼勘定でやるといったことではなくて、郵便事業を取り上げて、しっかりと持続可能性、黒字化を図っていくという取組をしております。
そういった意味で、今後の郵便事業の持続可能性をよりしっかりしたものにしていくといった点でいいますと、会社としてやります点は、これはもう釈迦に説法でございますけれども、まずは会社としてコントロールできますコストをしっかりと、不必要なところは削減するといった取組をしていく必要があるというふうに思っておりまして、そういった意味での努力、一方で、営業努力もして収益も上げていきたいというふうに考えておりますけれども、そういった努力をした上でなお非常に黒字化といいますか持続可能性が厳しい場合には、やはりサービス水準の見直しもお願いしていく必要があるのかなというふうに考えているところでございます。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。
本当に、御努力を否定するものでは一切なくて、むしろ今もお話ありましたとおり、持続可能性という部分をどういうふうに担保していくかというところが大切かなと思いますので、引き続きその点も含めましてお願いをしたいと思います。
最後に、ちょっと論点異なるんですけれども、信書について伺いたいと思います。
私自身も、この信書の定義が大変分かりづらいなとこれまでも感じてきたところでして、法律上としては、その文書の内容が意思表示であることであったりとか通信手段であるかどうかというところが線引きになっているかと思います。
いろんな資料を見ましても、例えば信書に当たらないものとして、この裁判記録も信書に当たらないものとして含まれているんですけれども、この裁判記録も、確定をした記録なのか、若しくは現在進行形の訴訟があった場合に提出する書面とかはその中に入るのかどうかとかが、なかなか正直判断することが不明瞭な部分もあったりしまして、間違いがないように、結局信書として取り扱って送るということが私自身も多くしてきたところなんですが、この信書という部分に関して、諸外国での立て分け方はどのようにされているのかという部分と、日本の中でこの信書とそれ以外の書面等についての扱いを例えば統一するようなことも含めてあり得るのか、検討することができないかどうかということについて伺いたいと思います。
○政府参考人(牛山智弘君) お答え申し上げます。
信書に関する制度は、国民の基本的通信手段としてユニバーサルサービスを確保するとともに、憲法で保障された通信の秘密を保護する観点から設けられているものでございます。このため、文書による通信手段である信書が規制対象とされており、その定義は、郵便法におきまして、「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」と明確に定められているところでございます。
各国におきましても信書や書状を対象とした制度が設けられておりますが、その範囲を定める定義規定では、意思を表示したり事実を通知する通信であることを要件としていると承知しておりまして、我が国と大きく異なるものではないと認識をしておるところでございます。
信書に関する制度は、国民の基本的通信手段の確保及び憲法で保障された通信の秘密の保護の観点から必要な規律を課すものでございまして、信書以外の書面等についてこれと同等の規律を課すことは過剰な規制となることから、委員御指摘の、信書とそれ以外の書面等につきまして扱いを統一することは適当ではないと考えておるところでございます。
○佐々木雅文君 ありがとうございます。
今御指摘あったとおり、通信の秘密を検閲がされないようにしていくということが一番大事なところだということはそのとおりだと思います。その上で、この信書か信書でないかというところの判断の仕方が、例えば具体例をより多く示していただけることなど含めて判断しやすくしていただくことも御検討いただければなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
ちょうど時間来ましたので、以上で終わります。